オノタカノフ

最後にして最初の人類のオノタカノフのレビュー・感想・評価

最後にして最初の人類(2020年製作の映画)
2.0
Amazonプライムにて。初見。

何の予備知識もなく鑑賞。

「最後にして最初の人類」という邦題だが、内容からすると「最後の人類と最初の人類」となるべきところだと思う。現在の人類が滅びて新しいのが生まれ、それを繰り返して二十億年後の第18期の人類が海王星から現在の人類にメッセージを送るという話なので。

太陽に何かがぶつかってやたらと熱くなり、人類は地球に住めなくなったので海王星に移住したのだそうだ。ガス惑星の海王星も地球みたいな風景になっていたので、太陽の変質と共に海王星も様変わりしたのだろう。人類も不死身になって形態も変化、集団意識(?)を持ちテレパシーで意思疎通をするのだとか。だが、太陽がまたもや暴走を始め、三万年後には海王星も滅びるので、現在の人類に助けを求めるメッセージを送ってきたということだそう。

印象的な音楽に乗せて、終始モノクロ画面が奇怪な建造物を淡々と映す。木々や草、それに一瞬鳥が飛んでゆく場面があるが、それ以外は生き物の姿は見えない。未来人のメッセージは女声によって伝えられる。

wikiによれば、奇怪な建造物は旧ユーゴのスポメニックと呼ばれる戦争記念碑なのだそう。さらにwikiの情報によれば、この映画の原作小説はアーサー・C・クラークやラブクラフトが高く評価しているのだそう。

音楽と映像だけなら環境ビデオとして高い評価をつけたいところだが、未来人の現代人への要望の内容が具体的な中身がないので低評価。荘厳な雰囲気だけは伝わったが、雰囲気だけを味わうなら十分もあれば充分。

二十億年も先の人類なら価値観も今とはずいぶん違って、生と死を等価に見るという道家的な価値観を持っていたりしてもいいじゃないかと思うのだが、そこらへんは現在と大して違わないようで、それも低評価の一因。
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