Finn

マイ・ニューヨーク・ダイアリーのFinnのレビュー・感想・評価

3.6
ニューヨークの出版社で働きながらも理想と現実に悩む作家志望の女性が、J.D.サリンジャーとの出会いとファンからの手紙によって、自分を見つけていく…。
ジョアンナ・ラコフの自叙伝「サリンジャーと過ごした日々」が原作。

映像がオシャレで美しくて、音楽もファッションもすごく好き。ジョアンナの服が全部可愛くて「この服着たい!」ってずっと思ってた(笑)
自叙伝を原作としながらもファンタジックな演出で、特にファンレターを本人が話すような描き方が面白かった。

ただジョアンナの成長を主軸にしたストーリーなのに、彼女の悩みとか葛藤とか、心の揺れみたいなものがイマイチ伝わってこなくて残念だった。
その辺りが原作を読んでないからどこまで忠実なのか分からないけど、サリンジャーが彼女に与えた影響の大きさもあまりインパクトがなくて…サリンジャー本人というより、ファンからの手紙からの影響が大きかったということなのかな?

私自身、好きな映画俳優や作家にファンレターを送ったことがあって、直筆のお返事をもらったことも、エージェントから形式的な返事がきたこともあるけど、せめて読んでほしい気持ちはよく分かるなぁ。

ジョアンナ役のマーガレット・クアリー、初めて観たけど可憐で美しくて絵になる!
ダグラス・ブースはこういうだらしない小説家みたいな役が多い気がするけど、毎回ハマってるのが面白い。

作品としてよくまとまっていたし、映像がキレイだし、観て良かった。
The Catcher in the Ryeは個人的にすごく感銘を受けた作品で、翻訳版は村上春樹のが好きです。読んだことのない方はぜひこの機会に!
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