レトーポ試験

ペルシャン・レッスン 戦場の教室のレトーポ試験のレビュー・感想・評価

4.1
ナチ系映画の変化球としてなかなかの良作。

見た目弱そうな主人公の生きることへの執着や架空の言語を記憶してものにする賢さなどこの辺の深掘りはほとんどなく、創造の言語がバレるかバレないかの吊り橋だけで一本の映画を完成させるよく出来たエンタテインメント。次々と降りかかる難を潜り抜け、創造の言語を教授する大尉との関係を構築した先に迎えるカタルシスがとても良い。ジルが欺く大尉も、絶対悪に変わりはないのかもしれないが、架空のペルシャ語を教わり夢を語る姿を表していくことで、ラストのカタルシスが純粋な爽快感というわけでも無かった。なんとも言えない余韻が残るエンドロール、びっくりすほどゆっくりなスクロールはマイケルベイ10周分のエンドロールでした。
物語を動かす機能のいくつかが偶然によるものだったのが少し気になった。本物のペルシャ人の末路、もう少しその原因を見せてくれてもよかった気がする。実話ベースのフィクションだから致し方ないことだけど。
レトーポ試験

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