もりたま

砕け散るところを見せてあげるのもりたまのレビュー・感想・評価

3.3
小説は素晴らしいんだろうな。映画も良かったけどね。

清原果耶がサイコー。贔屓目でみなくても良きだと思います。ちょうどいいよね。踏み込みすぎない、適切な距離で助けたり接したり、好き。中川大志かっこいい。堤真一はオバケ、激ヤバ、ホントに怖かった。この人ホントにヤバい人だと思った。その役も、この役者も。めちゃめちゃ上手かった。特に矢田亜希子と車を停めて挨拶するシーンから危険なオーラを纏っていてゾッとした。池に沈めるというヒッチコックの『サイコ』を彷彿とさせる行動もあり、余計に怖かった。

石井杏奈も好きだし、上手な人だと思っていたが今回は役というよりもキャラって感じだった。演技してる感じが伝わってしまった。特に、暗いところから急にスイッチ入ってテンション上がるところが臭い。期待していただけに残念。

ただ、作品としてはとてもボリュームがあり、見応えはある。UFOのせいという突飛な表現、そしてその突飛さを象徴するかのようなガチガチのCGのUFO、これは作品のメッセージ性を十二分に表せていると感じた。嘘だと分かっていても何かのせいにしたい、何かのせいにしないと生きれない、そういう人間の弱くも強いところが心に響く。そして、UFOを退治するために、ボロボロになった彼女と、彼女を自転車に乗せて夜をはしる彼、この2人がとても美しい。そこだけでもみる価値があると思う。

ただ、豪雨の中、川に流される車のシーンの合成、CG感は気持ちが冷めてしまいます。

とまぁプラスもマイナスもたくさんある映画でした。
もりたま

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