回想シーンでご飯3杯いける

ワインは期待と現実の味の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ワインは期待と現実の味(2020年製作の映画)
3.0
ラップが好きな知性派男子が、最難関資格であるマスター・ソムリエを目指す話。なかなかニッチな設定で、いかにもNetflix作品らしい。

一方で、主人公の父親はバーベキュー店を経営しており、息子に継がせるために2号店オープンの準備を進める。頑固な父親と主人公の対立を軸に、陰ながら息子を応援する母親と彼女、という王道の設定もあって、家族ドラマとしては申し分なく楽しめる。

主人公がワインの銘柄をヒップホップのミュージシャンに例えてお客さんに説明する冒頭の下りが面白かったのだが、以降はソムリエを題材にしながらワインに関するエピソードが少ないのが残念だった。例えば僕のように酒を飲まない人が見てもワインに詳しくなれるだとか、ワインを飲みたくなるような演出を入れるのは、この手のお仕事映画では鉄則だと思うのだが、どちらかというと父親の店で料理されるバーベキューの方が美味しそうに見えてしまうのは、設定上、難ありだと思う。