あくとる

キャンディマンのあくとるのレビュー・感想・評価

キャンディマン(2021年製作の映画)
3.5
"シカゴと黒人芸術文化"

オリジナル版は未鑑賞なので比較はできないのだが、本作もまた『Get Out』や『Us』に連なるホラーに黒人差別の歴史を織り混ぜるジョーダン・ピール印の作品。
シカゴの団地スラムに根付く貧困、差別、暴力といった問題の象徴として現れる"キャンディマン"の物語。
本作の中心人物が"芸術家"であるのも重要なポイントで、白人批評家に象徴されるように、白人が黒人文化をいいように搾取する社会構造への批判を感じた。
何よりホラーとしてしっかり恐ろしくグロテスクで良くできていて面白かった。

だが、消化不良も否めず。
シカゴの文化的背景を知っていると、もっと深くテーマを理解できたであろう。
自分にとってシカゴとは。
とにかく治安が悪くて寒いイメージ。
ソウルレジェンド、Curtis Mayfieldの出身地。
ヒップホップならCommon、Kanye West、Chance the Rapper。
自分はJamila Woodsしか分からなかったが、本作にはシカゴのアーティストの曲が使われていそうである。

とまぁ、そのくらいしか知識がないので、出てくるのは「楽しいホラーだった」というくらいの浅い感想である。
知識を付けてからまたリベンジしたい。

※集合体恐怖症の方にはキツそうな場面があるので注意