このレビューはネタバレを含みます
この映画を観る前に観た、ジュリーと田中裕子さんの寅さんで映画熱も再燃した。ほのぼのしていて、いいシーンがたくさんあった。寅さんのとんちんかんなアシストのシーンとかね。それでいて、寅さんにしては珍しく、女性側の心理描写(間接的だけど)みたいなものもあって面白かった。シティ寅さんといった感じも受けた。
さて、ダイジェスト版映画シティーハンターを挟んで、こちらを観ました。マキノ雅弘は初でした。素晴らしい。やはり、注目すべきは群衆か。みんな生き生きとしていて、庶民が主役の映画と思わざるを得ない。全て素晴らしいが、一つ挙げれば、最後の大勢で戦うシーンの人のさばきかた。群衆という点ではもちろん、アクションという点でもすごい。もちろん、構図も素晴らしかった。演出も良かった。ただ、前にチラッと観た前作と比べると、ちょっと大雑把な感じを受けた。民衆の話だからだろうか。だが、なによりしっかりと娯楽作であること。ここが大事。ここまでやってのけるマキノ雅弘恐るべし。
役者陣について触れておくと、鶴田浩二がやっぱりかっこいいし、丹羽哲郎のかっこよさも再確認。サブちゃんも良かったなあ。ちなみに、こうして役者について語れるのもこの映画がスター映画としての面も持つ証拠だろう。
東映は70年代のイメージがあって、少し敬遠していたのだけど、60年代のものはいいな。運命と人間の業みたいなものが描かれていて好きだ。そして、役者たちもそれを背負える人たちだし、全体的に品がある。