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望みのkamekichi313のレビュー・感想・評価

望み(2020年製作の映画)
3.5
☆日本的な家族観や道徳観の典型のようなスタイルのサスペンス。
☆殺人事件に巻き込まれた人のそれぞれの葛藤に焦点を絞って、細やかに描かれている。
☆刃物が物語の鍵を握っている。重要なシーンや大きな転換点になっていた。理想的な青年のあり方や常識を押し付けることが良いのか、自分は自分で守る必要があるのか、問いかける部分も多かった。
☆はじめから息子と本当に対話しようとしない、正しさの押しつけが気になった。
☆ごくありふれた理想的家族が、家庭内に出来た小さな綻びからどんどん大事件に巻き込まれていく、緊迫感が伝わる演出だった。
☆映像が綺麗。暗めの青みがかったタッチで太陽光や照明が強調されていて、デザイナーズ建築の家の背景はスタイリッシュで良かった。状況を説明するように傾いたり回転するカメラワークも絶妙。「望み」を暗示していた。
☆息子が加害者であるのも嫌で、殺害されているのも嫌で、世間からズタボロにされる家族の心情表現が、あまりない展開でリアリティーがある。
☆終盤以降、母の納得したシーンなど、結局美しい感じにまとめあげられたのは、不自然で残念だった。
☆父役の堤真一の切ない芝居が凄い。
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