「みんなどうやって折り合いつけるのかなぁ、、」
結構前に鑑賞したけど、今思い返してもずっしりくる作品。当事者にしかわからない苦痛だと思うから自分にはあまり多くを語る資格もないのかもしれないけど、みていてとても辛かった。
お父さんの気性の荒さと取った行動はそれとして、実際に大切な人を災害や事故で失ったとしたら、みんな残酷な現実を受け入れるにはどうすればいいのか必死にその方法を探し続けると思う。一体誰に向かって思いをぶつければいいのかわからないし、かといって運が悪かったということで納得することも到底できないだろうから。
何をしても償いきれないし、何をされても許せない。
加害者も被害者も、当時よりは痛まないものの、一生治らない傷を抱えながら生きていくのだと思う。
どちら側でも自分だったら何を自分に言い聞かせて折り合いをつけるのだろうと考えさせられた。想像して考えてみたところで何も答えみたいなものはでてこなかったけど、多分自分が当事者になったとしても自分を納得させる自信はない。
埋める術は誰も知らないけれど、心がある人間だから感知してしまう空白。
登場人物一人ひとりの苦悩と葛藤がダイレクトに伝わってきて、人間という生き物の素晴らしさも醜さもリアルに描かれた素晴らしい映画だった。