さーすぃ

空白のさーすぃのネタバレレビュー・内容・結末

空白(2021年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

ただただしんどくて辛かった。もう二度と観たくない映画。
父からの抑圧によるストレスで万引きしようとした(私の解釈)娘も被害者。でも事実としては万引犯という加害者。
万引きしようとしたその娘を捕まえようと追いかけただけの店長も被害者。でも事実としては追いかけなければ少女は死ぬことがなかった。
いきなり飛び出してきたその娘を轢いてしまった女性も被害者。でも事実として少女をはねた。
そして、父も自分の娘が亡くなってしまった被害者。でも自分が娘の話を聞かなかったり、そんなわけないそんなわけないと他者の話に耳を傾けないで多くの人の人生をめちゃくちゃにしてしまった原因ともなっている加害者。
マスゴミは完全に加害者。
草加部さんはこの作品のキーパーソンだと思ってて、典型的な物事を二極化する人だし、自分は"正しい"ことをしていると常に思っている。

様々な解釈ができるが、途中で別の万引きした子が出てきたけど、その子は完全に盗んだものポッケに入れてから(草加部さんが)連れて行ってるのに、店長は花音がマニキュアを手に取ろうとした瞬間に手首を掴んでいたり、普段はおどおどしてて大人しいのにのり弁が間違ってた時に電話で激昂したり、最後に花音の父がクマのキーホルダーつけてるの見つけた途端に謝り出したりしたことから、やましいことをしていたのではないかとも考えられる。また、逆にクマのぬいぐるみから化粧品がたくさん出てきたことからやっぱり万引きしてたのか、とも考えられる。

なんと言うか、物事って二極化できないからこそ、難しくて絶望する。何度も言うけど本当にしんどかった。自分の心もぐちゃぐちゃだ。
さーすぃ

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