このレビューはネタバレを含みます
ささやかな映画。
のっけの悲惨さからは想像できないほど、大人しいストーリー。
衝撃の真実もない。娘の裏の顔もない。どんでん返しも、展開もない。
のっけの衝撃的な現実を、ふつうよりちょっと弱い人たちが受け入れていく。悪夢のようなただの日常。
精神的に少し弱い人たちが大騒ぎする中、一人どっしりと佇んでいた片岡礼子さんの姿は、まるで聖人君主だった。
優しさが、焼石に水ってことはないんだなと思った。
ちょっとした優しさでも、誰かの救いになるなら、人に優しくすることにビビんなくてもいいんだと、少し楽になった。
押し付けはよくないけど。独りよがりな優しさは人を追いつめる。やっぱり人に優しくって難しい。