おいなり

アイヌモシリのおいなりのレビュー・感想・評価

アイヌモシリ(2020年製作の映画)
2.2
廃れていく文化を守れと人は言う。
悪しき風習や伝統をぶっ壊せとも人は言う。
結局それを決めていくのは、その社会の構成員でしかないのだろう。そういう意味で、僕はアイヌの事には口を出せない。僕は日本人ではあるけど、アイヌ民族ではないから。
本作の主人公カント少年は、まだアイヌ文化に染まっていない宙ぶらりんな状態。アイヌ民族というアイデンティティと日本人というアイデンティティの狭間で揺れ動いている。当事者にも傍観者にもなれる彼の存在がこの作品の1番の魅力だと感じた。

個人的に驚いたのは、土着の文化を守る大人達に不快感もおぼえたということ。
構成員でもない若者の文化を、死してゆく年長者達が決めて良いのだろうか?
文化を守るのは若者であって欲しい。
伝統を壊すのは年長者であって欲しい。
たぶん綺麗事なんだろうなぁ。
歳取ったら考え変わってそう。

とても面白い内容だったけど、
映画(エンタメ)としてはそこまで楽しめなかった印象です。勉強意欲、思考意欲が湧く内容なので、そういうものとしては楽しめました!

今作だけで知った気にはなりたくないかな。
おいなり

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