ゴールデンカムイの最終回が話題だった頃に本作の存在を知り、ちょうど地上波放送があったので録画しておきました。
凪いだ岸辺に遠くの小石が波紋を伝えてくるような、そしてずっと微かに揺らいでいるような。アイヌの守っている信仰や慣習がただの教科書的なものでなくて、魂のこもったものに感じられました。
「つらいと思うけど、それはお父さんがまだカントの心にいてくれてるってことだから、それでいいと思う」という言葉が印象的でした。立ち直らなきゃとか、しっかりしなきゃとか、そういう無理に起こそうとするのじゃない声かけがとてもいい。うん、私もそんな感じでいいと思う。
それと、お父さんきっとチビに宿って戻ってきていたんじゃないかなぁと思いました。あのチビ目線の映像、当たり前のように挿入されていたけれど、きっとアイヌのあいだに受け継がれているイメージに近いかそのものだったりするんだろうな。何だか神聖な・神秘的な気持ちになりました。
最後にカントが見つけたコタンコロカムイが、チビに宿っていたカムイから話を聞いてやってきたのなら嬉しくなるし、きっとまたそこに新たな物語が生まれるに違いないです。
それにしても観光という名目で、珍しい生き物を見るようにアイヌですかとか日本語上手ですねとかいうのはちょっとモヤモヤしました……現実の姿に取材しているのでしょうが、なんだかかなしくなってしまいました。。
