Elie

ザ・フラッシュのElieのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

エズラの出演作品はこれ以外にも少しだけ見ているけれど、やはり記憶に新しいのはファンタビのあの子だから、本作のバリーはこちらのお腹が痛くなってしまうほどは心配しないでいられました。葛藤とかそういう心象の起伏が、自分にも覚えがあって共感しやすかったのもある。例えば、過去のある時点に戻ってやり直せば、今がよりよく変わっていただろうというやつとか。

よく時空を旅する系で言われる、過去の色々に手を加えたらだめというお約束。あえてマルチバース化させて指パッチン用の宝石を収集した世界とは全く裏腹に、こっちではそれが重大事を招いてしまいました。対照的でおもしろい。

色んな時間軸のスーパーマンたちがフラッシュのいるところを見つめているみたいな場面、こう分岐したらこう、っていう可能性の物語のプロットを見ているみたいでワクワクしちゃった。だってあの時空のどこにでも3時間サイズの映画一本分のドラマがあったかもねってことだもんな。スーパーガールのカーラさんと、ムッキムキで彫刻のようなスーパーファビュラスビューティーマンたるカル・エルさんが幸せにお話したり、背合わせで示し合わせながら共闘しているお話が見たいです。

運命の時間軸の分枝上にいた18歳のバリーと、現在のバリーがずっと共闘しているのは、ジキルとハイドみたいにひとつの肉体から出入りするのとは違った贅沢感がありました。クッキーのふちがほろりと崩れるみたいに、心のなかでちょこっとだけ希望が崩れてしまった「あ…」という機微の表出が、エズラめちゃめちゃ繊細でいいなと思います。

公開から一週間、パンフレット売り切れてたのが残念。どこかで買いたいな。
Elie

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