いとまど

ミッドサマー ディレクターズカット版のいとまどのレビュー・感想・評価

3.6
話題性と怖いもの見たさで鑑賞。
ホラー耐性が弱いため、ネタバレを読んでから挑む。しかし初回3時間コースは、なかなかお尻が痛い。

昼食後の満腹感とともに、美しい自然の景色、ホーミーみたいな民族音楽を聞いてたら、気持ち良〜く眠くなってきて…
ふわ〜っと油断した時に、ショッキングな映像が盛り込まれて不思議なバランスだった。
心配していたグロも、思ったより大丈夫だったので今後見れる幅が広がるような気がする。
グロとは言っても、生贄としてのスタンスからの結果なので、痛めつけられて苦しい…みたいな描写が少なかったのも見やすい要素だったのかもしれない。
それよりも主人公ダニーがトラウマを思い出すシーンの方が精神的に苦しい。
元々不安定な精神状態な上、家族の不幸でどん底の彼女にとって、一緒に泣いてくれたり抱きしめてくれたり、優しく受け入れてくれる存在があったら、それは一時でも救い。この方法を持ってすれば、新聞勧誘も結婚詐欺師もホイホイ。カルト宗教←new

クリスチャンがお花畑で複数の女性観客携えて試合するシーンは、シュールかつ不気味で、もう笑うしかなかった。その後の扱いはカマキリ。

あと不安感を煽る音楽。黒板をひっかく音を連想させるような、胃にキイキイくるゾワッとした感覚。
祭りでは度々歌うシーンもあるが、郷土の得体の知れない言語・音階も混じっているようで、呪文のような気持ち悪さもある。
そして何より、泣き声が印象的。
ダニーによる泣き声はもちろん、宿舎で夜泣きする赤ん坊であったり、共感型の村人であったり、泣き声には「負」の感情がダイレクトに込められてるから強烈である。

泣き声と笑い声は、とてもよく似ている。
どっちとも取れる表情のダニーに、幸福感が垣間見れるような終わり方だった。

このレビューをミッドサマーのサントラ聴きながら書いてるので、今晩は悪夢が見れそうです!
いとまど

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