ぜりー

シング・ア・ソング!~笑顔を咲かす歌声~のぜりーのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

戦争に赴いた愛する人の帰りを待つ“妻”たちの話。
「いつパートナーが死ぬか分からない」どんなに覚悟していても、いざその時になって受け入れられるはずもありません。そんな彼女たちの不安が丁寧に描写されていた作品でした。
個人的に好きなシーン。大佐夫人であるケイトは責任感が強く完璧主義に近い性格で、合唱団でも仕切りたがるので、特に序盤は尊大に映ります。そんなケイトがソファーでダラけながらテレビ通販を見て、絶対に使わない商品をいくつも買ってしまっているのが結構好きです。戦地に赴いた夫が次こそ帰らぬ人になるのではないかという不安や、戦争で息子を喪った喪失感、家に誰もいない寂しさを紛らわすためなのか、健全とは言えない、人並みな通販という趣味を持っているのに好感が持てました。
ビックリしたのは女性同士のカップルが自然にいたこと。女性軍人を送り出す女性を見て、最初頭の処理が追いつかず、自分の視野の狭さに気付かされました。調べると、ヨーロッパには性的少数者への差別を禁ずる軍の規則があるそうです。
最後になによりも歌がいい!凄くいい!観終わってすぐサントラを聴きました。合唱経験者なので、合唱で心を通わすことの素晴らしさを久しぶりに確かめられました。
ぜりー

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