BON

理想のBONのレビュー・感想・評価

理想(1964年製作の映画)
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夢の愛車か、生活か。
「プラハの春」前、政治的弾圧が和らぎ民主化運動に沸くチェコ黄金の60年代。

マイカーを夢見る少年が大人に成長し、恋人との生活を経て、子どもができて夫婦となる。

コツコツと稼いだ金が車のパーツになり、逆に生活で金を消費するとパーツが生活品に消えていく表現が見事で視覚的に楽しい。生活を切りつめ最低限の生活を営む人生は全くつまらないものだとでもいうかのような、女の寂しさがよく分かる。

ラストシーンは人間の所有欲の深さと、物質的な豊かさを人間は求め続けていく姿に共感した。
BON

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