BON

雄弁家のBONのレビュー・感想・評価

雄弁家(1962年製作の映画)
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人は小難しく堅苦しい話は何も聞いちゃいないんだという浅はかさを風刺したパペット・アニメーション。

雨や雷や花火のように変幻自在に言葉を操り、翻弄される聴衆を導くことを夢見る眼鏡をかけた男。丹念にスピーチの練習をし、いざ本番の壇上に立つ。言葉が身体を駆け抜けていくが実際は誰の頭にも入っちゃいない。娯楽の事ばかりを考える大人たち。

最後は眠りに誘われ、スピーチの終わりとともに目を覚まし無意味な拍手に包まれる男。これで嬉しそうにしている男も相当グロテスクなものだ。

校長先生のありがたい長いお話と同様、いつの時代でも、いくつになっても、どこの国でも人間の本質というものは変わらないのだなと思った。
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