怪作。
福田麻由子演じる、全てを無難にこなす主人公が、保育施設で働くこととなり、ある園児の父親に仄かな恋心を抱く。
まずこの男に強烈な違和感。
目を見て話さない。きちんと挨拶しない。ごはん作ってもらっても「いただきます」を言わない。
その他色々、ぶっちゃけクズ。
なぜこんな男に惹かれるのか。
主人公の家は長く母親と二人暮らしで、父親は遠くに単身赴任中らしいが、まるで夫を死んだ人のように話す母親の態度にも違和感。
そして幾つもの違和感の正体が、終盤になって唐突に明らかになる。
戻ってきた父親は、例の男に何となく似ている。
主人公は父親に恋に近い感情を抱いていて、母親はそれを敏感に感じとってる。
ある種の三角関係の緊張状態にある家族を、解体するために父親は戻ってくる。
伏線はあるにはあるが、主人公の深層を明かすのが最後の最後なのは置いてきぼりギリギリ。
ユニークだが、少々大胆過ぎないか。
