このレビューはネタバレを含みます
24/7/15(月)
原作小説未読
この格好の付け方はふつうに良くないと思う。
押井守のいつものハードボイルド調で何やるのかと思ったら…………はぁ~(クソデカため息)
なんやかんやでハーレムものだし、ヒステリックな女性キャラの描写とかマジできつい。かっこつけて抑制的なトーンを演出しているけど、けっきょく男根的な欲望がずっと頭をのぞかせていて気持ち悪かった。
のっぺりし過ぎのキャラデザもどうかと思う。《キルドレ》の設定からして必然性があるとかそういうのは理解するけど、そのうえでダメです。
永遠に「子ども」の戦闘機パイロットということで、明確にエヴァの系譜──ポスト・エヴァ=セカイ系ではある。とはいえ、世紀末~ゼロ年代前半の〈終末〉の予感を孕んだものではなくて、「戦争」がビジネスとして恒常的に継続されるようになった〈日常〉系である。終わらない日常を生きることの絶望的な困難さと退屈さ。
ただ、最終的には「これは俺の戦いだァッ!」とひとりで〈父〉(「大人の男」)へと特攻していくので、一気に時代が太平洋戦争期へと遡ってズッコケた。エンドロール後の〆からして、そうした特攻ロマンチシズムをアイロニカルに相対化している(絶望的な結末)とも取れるが、だから何?というレベルである。やってることが、互いに銃を向けあっての断崖絶壁での火サス愁嘆場とかと変わらないし、それをいくらニヒリスティックに相対化してみせたところで…………
けっきょくこれも心理実存的なループ物でわろた。同じ話しか映画化しないのか。
エンディング曲の綾香なつかし~ あのへんの時代だもんなぁ