パグズ

護られなかった者たちへのパグズのネタバレレビュー・内容・結末

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

凄惨な殺人事件を追っていくのがストーリーの軸ですが、震災後の貧困問題や何年経った今も人々の抱える哀しみや苦悩が根底にあって、とても重く、考えさせられた映画でした。
現在と過去が交互に描かれ、徐々に繋がって明らかになっていく事件の全貌や人間関係や展開に飽きる事なく見る事ができました。

阿部寛さん、佐藤健さん、清原果耶さんを初め、他のキャスティングも素晴らしく、特に食いしばって泣きながら『自分は生きていていいのか・・・』と震える泰久を包み込むように優しく抱きしめるけいの姿に涙が止まらなかった。

根っからの悪人なんていない、
人の数だけ護りたい物があって、その人だけの真実がある。
護りたい物がお互い相入れない時に、話し合いだけでは解決できない、社会にも法にも限界があって、お互いの苦しみと覚悟が観客側からは分かるからこそ、見ていて切なかった。

社会問題はすぐには解決できない。心身ともに疲れたきった時は周りを見ることも、自分を見つめる事もできなくなる。
幹子の『声をあげて欲しい』という訴えは、私自身身に覚えのある出来事もあり、すごく響いた。
映画を見て悲しい気持ちにもなったけれど、支え合うことで希望になるなら、大切な人の声を聴き、声をあげられる1人でありたいと思った。
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