パントマイムの神様、マルセル・マルソーが第二次世界大戦中にユダヤ人孤児123人の命を救った実話の映画化。
1940年代フランス。ストラスブールの肉屋の次男のマルソー(ジェシー・アイゼンバーグ)はチャーリー・チャップリンに憧れ、俳優への道を目指していた最中、ナチス・ドイツがフランスを占領した。兄や従兄弟と共にレジスタンス活動をする中で、親を失くした孤児たちと出会い救い出すことに全身全霊を傾けていたのだった。
本名はマルセル・マンジェルだったが、ユダヤ人であることを隠すためマンジェルからマルソーに姓を変えたのだった。改名もだが、子供の頃から名前を知っているあの有名なマルソーの偉大さを更に深める素晴らしい内容の作品でした。
ドイツ親衛隊クラウス・バルビー(マティアス・シュヴァイクホファー)は《リヨンの屠殺者》という悪名を持つ、捕虜への拷問(皮剥がし)で処刑する極悪非道人だった。
マルソーが想いを寄せるエマ(クレマンス・ポエジー)とその妹ミラはバルビーに捕まり、ミラはとうとう処刑されてしまう。
エマを支えながらも出来るだけの孤児を連れて、凍えるような冬山を超えスイスへ国外脱出を成功させる。
マルソーの父親は1944年アウシュビッツ強制収容所で亡くなった。
ジョナサン・ヤクボウィッツ監督は、ボクサーの実話『ハンズ・オブ・ストーン』も面白かったですし脚本力が素晴らしい。
悪役マティアス・シュヴァイクホファーは、ノーラン監督新作『オッペンハイマー』にも出演している巧い俳優。
マルソーの父親役はカール・マルコヴィクス。『ヒトラーの贋札』の主役。そちらもお薦めの良作です。
観終わった感動が一日経ってもまだ引かない。
改めてマルソーのパントマイムが見たくなり探したYouTube。作品は別ですが、ご本人が見られるので貼っておきます。
『マルセル・マルソー 沈黙のアート』の予告編
↑もぜひ観たい。
https://youtu.be/D4cANT46nFk?si=vXEdw2DEdLeWtcDw