ぼっちザうぉっちゃー

リンダ リンダ リンダのぼっちザうぉっちゃーのネタバレレビュー・内容・結末

リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

時間というか「時感」というか、空間というか「空感」というか、そういったものがとても心地いい作品だった。
学園祭前の準備や当日のリアルにごちゃついた様子だったり狭い部室だったり、バス停だったり河原だったり、そんなかの垢抜けない女子高生4人というのが抜群の相性で、全編浸っていられる。

それぞれの制服の着崩し方も魅力的で、特に超個性の寄せ集めというのでは無いけれど、没個性にもなり難い感覚。素敵です。
個人的にはベースの望が好き。脱力系で口数少なく目立たないけれど、意外としっかりしているというのが伝わってきて良き。
あとやっぱソンさんがチャーミング、めちゃ快活な感じではないけれど、少女らしい溌剌さが感じられて、そして時折すげぇいい顔する。

夢オチからの展開はおや?と思ったけれど、ラストライブがなんとか形になっただけでもう良かったと思えた。
特に最後のステージにメッセージ性が無いのが良さなのではと思った。これはもちろん悪い意味じゃなく、全体的にドラマ的な部分が薄めななかで、恋愛パートのある響子や、バンド結成に少なからず思い入れのある恵など、個人的な事情のある人物でなく、飛び入り参加の留学生であるソンがボーカルとして顔を飾ることで、演奏によって押し出される雑味みたいなものがなく、ただ純粋な有志バンドのパフォーマンスとして受け取ることが出来たのではないかと感じる。こういう青春もあるよなぁと。

もちろんこれからやることは決まっている。
ブルーハーツのヘビロテだ。