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マグノリアのchamのレビュー・感想・評価

マグノリア(1999年製作の映画)
5.0
中学生の頃に映画館で観て、当時まだまだ中身も子どもだった私はトム・クルーズのお下品なキャラクターに衝撃を受けカエルに度肝を抜かれ、3時間近くあるこの映画を観た経験は特別で、それ以来人生で一番心に残ってる映画となりました。
そして大人になればなるほどこの映画が好きになっていく。

心が晴れる作品かといえばそうでもないけど、エイミーマンの曲とともに心の奥に仕舞い込んでいる想いが奏でられ、登場人物と時間を共有したような感覚になる。

とある人物の身勝手な懺悔も、また別の人の悲しい過去や苦しみも全てがつながり合っていて今この時間が成立している。
現実の世界に生きる我々も皆どうしようもない過去を何かしら抱えて生きていて、そんな負の感情も消えることなく存在しつづける。

カエルが容赦なく降ってくる有名なシーン。幻想的な奇跡でありながら、目の前で起きてることが現実だと知らしめてくれているよう。
人生いろんなことの積み重ねで、歳をとればとるほどに過去のいろんな現実がのしかかってくるけど、映画はそのありのまま受け止め不思議と浄化されていく。

みんなそれぞれの人生を抱えていて、トムさんやフィリップ・シーモア・ホフマンさん、ジュリアン・ムーアさん、好きな登場人物はいろいろいますが、
深い傷を負い立ち直れなくなった薬物依存の女性に、ただ純粋に惚れてしまうちょっと頼りない警官役のジョン・C・ライリーさんが優しくてかっこよくて当時からジョン・C・ライリーさんが一番好きでした!
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