凛太朗

マグノリアの凛太朗のレビュー・感想・評価

マグノリア(1999年製作の映画)
4.2
親方!空からなんか降ってきました!
女の子かな?否、女の子だったらいいのにね。だが残念。蛙だ!出エジプト記かな?
でもPTAは出エジプト記8章2節において、パロ(ファラオ)が奴隷のように扱っていたモーセらイスラエルの民をエジプトから去らせなければ、蛙によって領土を撃つ。的な記述があることを知らなかったらしく、超常現象研究家の著書に影響を受けて脚本を執筆したらしい。撮影時には出エジプト記のことを既に知っていたため、exodus 8:2などの映像が使われているとのこと。

アメリカ人監督が旧約聖書に記されている話を知らないとかそんな偶然あんのかい!って感じなのですが、あるんでしょうね。そんなことも。
因みに私が旧約聖書内のこの話を知ったのは、多分十数年前、まさにこの映画を観て、何故に空から蛙が?と思って調べて知って、後に旧約聖書読みました。

そのような偶然もさることながら、偶然に偶然が重なって、誰かの誰かは誰かの誰かなのかもしれないし、誰かが何かをして誰かが何かしら影響を受けた結果、誰かに何かが起こるかもしれないという、書いてて頭おかしくなりそうな複雑に絡み合った事柄を、豪華俳優陣を使って群像劇で描いているヒューマンドラマであり、サスペンスでもあると思います。
笑いもあったりしますけど、何か知らんが終始ドキドキ。そして最後は、唐突に親方ー!って感じ。あんなあり得ないような現象が許されてしまうこの映画の不思議。

主要な登場人物が殆どみんな孤独感のようなものを抱えているわけだけれど、俯瞰で見れば誰一人として一人では生きておらず、どっかの誰かと影響を受けつ与えつしあって、人生を過ごしているのかもしれませんね。チャップリン的に言えば

「人生は近くで見れば悲劇だが、遠くから見ると喜劇である。」

そんか感じ。
凛太朗

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