群集劇は集中力が要求されるのであまり好きではないけれど、こちらは格別。
どうにも気分が落ち込んじゃった時に見たい映画のひとつ(めちゃくちゃ長いけどね)。
個性豊かな登場人物が登場するが、共通するのはみな闇を抱えているということ。
脚本の妙か、それぞれの人生に共感できるし、ダメダメなところ含めてどうにも愛らしい。
みな隘路につっこみ、うんともすんとも行かない状況に陥るが、最後にはびっくり仰天、ひっくりカエルような展開が訪れる。
モーゼの十災を参照し、これは罪に対する罰だ、という声もあるけれど、それと同時に、罪深き人間への赦しであると思う。
恋が前進するものもいれば、そうでない者もいる。人生の終焉に赦しを得たものもいれば、そうでない者もいる。
だが、いずれも人生である。
"But It Did Happen"
どんなにつらい状況でも一筋の光明は訪れる。そんな希望を感じさせる傑作である。