前知識なしで鑑賞。まさかの時代劇で面食らうが、歴史の知識ゼロでも十分楽しめる。
平和に進んでいた物語は、「ある出来事」を境に、怒涛の展開を迎えることになる。このドライブ感がたまらなくよい。
目は見えるが、国民を顧みない(=見ない)王、
目は見えないが、不正を暴く鍼師ギョンス、
この対比は見事である。
中盤以降のギョンスの超人っぷりや、右手を痺れさせて左手で筆跡鑑定を取る等、そんなバカな的な展開がところどころ存在する。
そもそも紙で指示を出すとかアホなんじゃないか、とか、ギョンスを現場に立ち会わせてリスクを負う意味ってなんだっけ、とか腑に落ちない部分もないではない。
さらに言っちゃうと、数年後のラストシーンも蛇足な印象。
とはいえ、ちょっとした違和感をも払しょくさせるような、力強さのある作品であった。
史実をベースとして、ここまでスリル抜群の一級のサスペンス映画を生み出す手腕には恐れ入った。高評価も納得の佳作である。