保守的なアカデミーの他映画祭嫌いによる不思議な選出で毎年飽きもせず界隈をザワつかせる国際長編映画賞だが、特に80年代のイカれっぷり(褒めてます)は凄まじい。全体の出品作品数が今と比べて格段に少ないとはいえ、ノミネートの5本ですらどういう基準で選んでいるか分からない作品が並んでいる。特に受賞作品の中でも日本で公開すらされなかった二作品は海外でも圧倒的不人気を誇り、リスト制覇に狂わされた人くらいしか見ていない。本作品はその一本。原題"Volver a empezar"は"もう一度始める"を意味し、フランコ政権から解放されたスペインの新たなる門出を描いた作品となっている。