中庭

もだえ苦しむ活字中毒者 地獄の味噌蔵の中庭のレビュー・感想・評価

3.3
蔵の中を照らす、魚の骨組みのような配置の日光。
サカイが「死んだ」とき(扉の向こうで被弾)の、コメディからの落差が印象的な展開は、五話全体のちょうど中間に位置していた。
蔵の外観がきっちりとスタンダードサイズの画面へ収まる。
渡り板を走らせてある敷地を俯瞰で見下ろすカメラの構図も良かった。
序盤に映される道路のカーブは『キャスト・アウェイ』の有名な十字路を思い出す。何故なら、両者とも意義深く濡れた水たまり(アスファルトを流れ行く水の線)を踏むから。
音楽が西洋の古典映画のように、常にテンポが良い。
大杉漣と家族の構成が謎すぎる。
四話の居間で、皆より高めの床で揺れ椅子に座る老女。カメラはやや低めの高さ。
五話のアバンは前回の展開をまるで異なる構図から撮り直したもの。
一番笑った台詞は、諏訪太郎の「そらまあ痛快ではあるけどもお」。
中庭

中庭