ナーオー

カポネのナーオーのレビュー・感想・評価

カポネ(2020年製作の映画)
4.0
物凄い酷評ぷりの本作。
個人的にはそんなに酷評されるほど酷いとは思わなかったです。

全盛期の"アル・カポネ"をテーマにした映画は良くあるけど、認知症で心も身体もぼろぼろになった彼の晩年をテーマにした映画は珍しいのでその点も良かったです。

そしてトム・ハーディの怪演…
少しオーバー過ぎるかも知れないけど、中々良かったです。認知症で言動も行動も無茶苦茶になって過去の栄光など無に近い寂しい男を熱演。狂気に取り憑かれてトンプソンを撃ちまくるトム・ハーディだけでも観る価値アリだと思います。

ただし残念な所も多少あります…
まずトム・ハーディ以外の俳優陣が地味。
マット・ディロンやカイル・マクラクラン、ジャック・ロウデンなど出演者は豪華ですが、トム・ハーディの熱演のせいで他のキャストが全然輝いていない。特にカイル・マクラクランの扱いはもう少し良くできなかったのかな…
あと脚本が少し ちぐはぐ していて、もう少し工夫出来たような気もします。あとテーマの割に薄い気もしました。

カポネの認知症による影響の幻覚や妄想などがちょくちょく挟まれる本作。分かりづらいという人も多いですが、自分はそこまで混乱はしなかったです。またトム・ハーディがトミーガンを撃ちまくるアクション映画ではないので、それが目当ての人には向いていないと思います。そもそも予告を観ればどういう映画か分かりますがね…

伝説のギャングスターだったアル・カポネが惨めにぼろぼろとなっていく姿をひたすら描いた暗い映画です。感動もなければカタルシスもありません。そういうのを求める人にも向いていません。
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