1946年、かつてのギャングのボス、アル・カポネ(トム・ハーディ)は刑期を終えてフロリダで家族とともに静かに暮らしていた。FBIの監視は続いていたが、彼は梅毒の悪化によって精神に異常をきたしていた。
現実と幻の世界を行ったり来たり。自分が誰かもわからなくなり、カポネの見る世界はほとんどホラーだ。
かつての威厳と貫禄からはほど遠い姿と振る舞いが痛々しく、映画の中で過去の栄光が回想されることもないので、100分は淡々と進み娯楽性もかなり薄い。
トム・ハーディの熱演も観ていて辛いばかりだったなー。
悪夢に憑りつかれる様子は、過去の自分の悪行を清算ようとしているようにも見えるが、きっと本人の意識には後悔や反省という概念もないのだろう。
錯乱して銃を乱射する自分を客観的に見ている場面があったんだけど、あれはどう解釈すればいいのかよくわからなかった。