一見するととても単純でありふれた小さなラブストーリーかもしれない。でもそんな簡単に片付けられない、いや片付けたくない程に愛おしくて切なくて繊細で、それでいて厄介で大胆な愛の物語(≠ラブストーリー)。
エリー(とその父)・ポール・アスターはどこを切り取っても素晴らしいキャラクターで感情の機微を些細な演出や絶妙な表情でしっかりと描いていて、ストーリーとしても飽きることなく見ていられるし、所々の彼ら彼女らのセリフ(やemoji)がハッとする程に突き刺さる瞬間がいくつもある。
有名なキャストが連なっているわけでもないし、お金をかけたエンターテインメントなわけでもないけど、只々観て良かったと思えたことがこの映画の全てを表している。今だからこそ。こんな時だからこそ。