『飛べない鳥と優しいキツネ』のドラマー中学生ことユ・ジェサンくんが小学生スイマーを演じている本作をウォッチ！

自分自身が小学校の６年間水泳を習っていたこともあって「かつて国代表レベルの競泳選手だったコーチと、泳ぐことが大好きで素質はあるもののレースでは万年４位の少年が組んでトップを目指す物語」に惹かれて見始めたんだけども……想像とは違って(これまた先日見た台湾映画『無聲』と同じく)"虐待の負の連鎖"を描いたシリアスで重苦しい系映画でした。

「強くなるためには体罰も容認する」という日本でも未だに根強く残っているだろう価値観へのアンチ・テーゼであり、「しごき的な虐待を肯定したり容認する人もまた虐待する側にいる」ってことを痛烈に描いていて良き！
おまけに、"泳ぐことの純粋な楽しさ"を"身体性"を用いて幻想的な映像で表現しているのもまた良き！
(ゴリゴリの成果至上主義者にこそ見て欲しいけど、そもそも日本公開さえされていないのが惜しい…)

キャストについては、
過去パートの体罰当然な鬼コーチを演じているのが『力の強い女 ト・ボンスン』の優しいお父さんことユ・ジェミョンさんで嬉しくなったのと、ユ・ジェサンくんが撮影中に声変わりしている＝リアルに成長していく姿が映っているのもナイス！

コーチの昔時代を演じたNetflixドラマ『恋するアプリ』のチョン・ガラム(orカラム)くんも画面映えしてグッド！
(『恋するアプリ』は１話目にしてチョン・ガラムくんのキャラが可哀想過ぎて放置しっ放しなんだけども、Season2始まるまでには見ておこうかな…)

入賞したシーンとラストの対比がストーリーの答え。肉体的や精神的な暴力は暴力以外の何物でもない。