配給UPLINKらしいドキュメンタリー。
監督がモロッコ高アトラス南西地域に7年通って撮影。
信心深いアマズィーグの人々、特にハディージャ姉妹を中心に収めた作品。
写真家でもある監督、アトラス山脈の風景がポスターのようで美しい。
荒涼とした山容に対して、村は春になれば緑溢れる。
地方の村には第一次産業しかないため、
若者たちは都会に強く憧れて出て行く。
一方でいじめも嫌がらせもない平和な村の暮らしも捨てきれない気持ちもある。
男女同権が認められたばかりのモロッコ。
村では古い慣習の下、主人公の姉は学校を卒業することなく、話をしたこともない親が決めた相手と結婚をする。それは義務だからと。
主人公の少女が自身の夢を叶えられていることを願う。
この映画のハイライトは、姉の結婚式。
恐らく周辺の村々から、このハレの日を祝うために集い、謡い、踊る。
色彩豊かな衣装と装飾品が美しい。
場面スイッチの役割的な素朴な三弦楽器。
何が豊かな社会なのかは微妙だな、と思う。
追記
アマズィーグの使用している文字が可愛らしい。