このレビューはネタバレを含みます
あんまり纏まってないけど雑なメモ
映像は見ている現実そのものを映すものでは無いということに気付きながら表現している。記憶の追体験はするけど過去に干渉することは出来ない。
無茶苦茶なツギハギの映像で脳が混乱する。2人の思い出の中に、おかしな映像が流れるのも面白かった。人の脳は正しくその物事を理解している訳ではなく間違った解釈をしていたり、あるいはなにか執着している記憶があるように思えた。記憶の中の時間の感覚ってそういうものだなぁと思った。
主人公にとってこの女性の存在が人生、記憶の中でとても大きなものだったのがわかる。愛する存在が失われるトラウマ。「ジュテーム、ジュテーム」と2回繰り返しているのはその言葉を強調しているのではなく、この苦しみのループを示唆しているか。
個人の歴史がありつつも絶妙に入り込めず、一つの時間の流れや人々の感情から距離をとりながら見るようだった。何かを理解出来そうと思ったら全て躱されるような。
映像と映像を無理矢理繋ぎ合わせてひとつにするのがゴダールのイメージの本を思い出す。編集によって映像はいくらでも解釈が可能になる。映画がナチスのプロパガンダとして使われていたように。ゴダールは接続する映像と映像が無関係なのが印象的。監督主体の意味的なものから離れて、見る人のイメージに任せるような感じがする。
評価つけがたいけど面白かった。また見たいなぁ。