るか

トランスフォーマー/ビースト覚醒のるかのレビュー・感想・評価

4.1
これまでのトランスフォーマーシリーズの「お約束」はうまく踏襲しつつ、ビーのポジションを代わりに務めることになったミラージュなど新たな魅力的要素を組み込んだ夏のアクション超大作。
今作はまずとにかく見せ方の工夫が素晴らしい。ロスやシンガポールにあるトランスフォーマー・ザ・ライドを彷彿とさせるような臨場感が2時間ずっと続く。その「ライド感」を演出しているのは間違いなく多用されていた長回しと引きの画だろう。ラストバトルのまるでドローンで空撮したかのような長回しのシーケンスは間違いなく今作No.1だったし、そんな撮影方法にも耐えられてしまうようなVFXのレベルの高さ。マキシマルの造形もこれまでのオートボットにもディセプティコンにもなかった魅力があり、素晴らしい。また、今作はあえて引きの画を多用することでトランスフォーマーたちを良い意味で「普通の存在」にしていた。ラスボスが星を食べるとかいうおバカ設定のせいであまり彼らを強大に描けなかったのもあるだろうが、臨場感がより増幅している印象を受けて個人的には大満足。
そして今作、常に感じるのがどことない「スパイダーバース感」だ。主人公はヒスパニック系でブルックリン在住、履いているのはAir Jordan。BGMもHipHop系のものが多かったし何より、主人公の部屋にはBiggyとカニエのポスターが貼ってあり、直したテレビに映るのは2Pac。露骨すぎかもしれないが僕は好きだった。次回作でドレッドのオートボットが出てくることに期待。
ただ、流石に主人公に着せた時は笑った。あれはギャグだろ笑。
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