Kaji

パイプラインのKajiのネタバレレビュー・内容・結末

パイプライン(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

珍品映画。
石油輸送ラインパイプに穴を開け盗油するチームの話。

横領がバレて後なしになった金持ちの依頼で大仕事を始まるがトラブル続きかつ、より悪辣な計画が隠れていてもう我慢ならんといっぱい食わせようとする。

石油の時代は終わった、EV車で面会に行ってやるよ!
に全てが詰まってると思うし、工場重機事故で労災が降りなかった弟のことを受けて犯罪に向かった技術オリンピックメダリストという背景の人物をソイングク俳優が荒っぽさが混じる肖像で消化していた。

この映画は、労働を虚無らせる主体へのアンチテーゼを込めた映画なのかな。

ドリルを筋肉を力ませてうりゃー!って動かす姿はカッコよかったけど、現場仕事の人への敬意が薄かったように思う。
手順や法令、機械の動かし方から天候が影響する素材の性質まで掌握して仕事をする人たちは世の中がばかばかしいから犯罪へ向かうわけではない。
そもそも、世の中が少しでも安全になるように働いてくれてる職業で犯罪ができるって描くのは、手術ができる医者が人を殺せるぞ、と言っているようなものだ。ではそう転ぶなら何をするのかが肝心だったのではないか。
そこで、辺りを火の海にしても所有物の値段をあげようとする悪者を懲らしめるだけでいいの?
職業が持ってるかっこよさをもっと見出せるラストが欲しかった。
現場で今日もドリルのスーパースキルで輝いてる主役をみたかったよ。

手放しでカッコよかった〜!サイダーだ〜!って褒められない。
すまん。
Kaji

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