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スペース・スウィーパーズのvilljobbaのレビュー・感想・評価

スペース・スウィーパーズ(2020年製作の映画)
4.0
地球と言語とSFへの個人的な愛を刺激する素晴らしい映画だった。

韓国産スペースオペラ。といいつつ、ほとんどの登場人物は様々な言語を喋る他人種で、それがとても自然な描写である(これ重要)。ついでに、物語は近未来の地球と火星周辺に限られて展開するため、スペースオペラという言い方も少し違うかもしれない。

しかしゴリッゴリの宇宙アクションなのでスペースオペラと呼びたい。
SFなガジェットや世界観、生活風景など素晴らしく、挙げればキリがない。さらに少年が興奮するようなアクションシーンが満載。
それでいて資本主義を良い意味で分かりやすく非難し、その日暮らしの貧困層にスポットを当てているのがSFな世界観とよく合う。
ついでにコメディなシーンもバッチリ。

何より、地球を守るために皆が力を合わせて戦うってのがシンプルにカッコ良くて感動してまさかの落涙。
私は主権国家の概念が好きではないという政治観なので、いかなる愛国心も理解できないのだけれど、これを観て思った。地球のためなら命を懸けて戦えるなと。
地球への愛国心ならバリバリにあるなと。愛国者ってこういう心理なのか。
ついでに最後の特攻作戦も感動。

言語オタクとしては、様々な民族の登場人物がそれぞれの母国語を喋り、それを自動翻訳している描写がリアルで好き。説明は無いがほぼ間違いなくアノイヤホン電話に翻訳機能がついてるのだろう。
色々出てくる言語を当てるクイズ(一人で開催)がすごく楽しかった。クレオール言語みたいなのも登場。ニヤニヤ。

惜しい点は、黒幕君が急に現場主義になるのと、アジア映画の宿命か、欧米勢の演技が微妙な点。

(スターウォーズと似たようなシーンあったがアッチは寒く、コッチは感動で涙。本当に堕ちたなスターウォーズ.....)
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