MasaichiYaguchi

デュー あの時の君とボクのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

デュー あの時の君とボク(2019年製作の映画)
3.5
タイ発のBLドラマが世界を席巻する兆しを見せているが、その勢いそのままに公開された本作は、イ・ビョンホン主演の韓国映画「バンジージャンプする」をもとにニュー・アレンジを加え、性別を越えて愛することによる苦悩や葛藤、それでも尚、そこにある輝きを瑞々しいタッチで描く。
本作は大きく二つのパートに分かれていて、前半の作品の方向性を決めるパートに出演しているのが、大人気ドラマ「The Shipper」のパワット・チット・サワンディと、ドラマ版「バッド・ジーニアス」のサダノン・ドゥーロンカウェローの二大ライジングスター。
この同い年のキャスト二人が、微妙な感情の揺れ、心模様を繊細に表現する。
本作の前半は1996年が舞台になっていて、二人が演じるデューとポップは、同性愛への偏見が色濃い地方都市の高校生。
或る切っ掛けで知り合った二人は親友となるが、やがて友情は愛情に変わっていくが、保守的な社会では二人の関係は認められずに追い込まれ、遂にはバラバラになってしまう。
それから23年後の2019年が後半の舞台となり、新たなキャストによる物語が始まる。
ポップは、その後に二転三転して母校の教師として戻って来る。
そこで彼はデジャブを起こすような出会いをする。
ここからがオリジナルの骨子を踏襲するようなストーリーが展開するのだが、果たして「バンジージャンプ」がどのような形で登場するのか?
タイ語の原題「ดิว ไปด้วยกันนะ」の訳「一緒に行こうよ」が意味するものが終盤からラストの展開で描かれ、何とも言えない余韻を残す。