クリーム

夜よ、こんにちはのクリームのレビュー・感想・評価

夜よ、こんにちは(2003年製作の映画)
3.6
あんまり好みじゃなかった。1978年、イタリアの赤い旅団(極左テロ集団)によるアルド·モロ首相誘拐殺人事件を基に作られたフィクション。モロ首相が赤い旅団でこんな風に監禁されていたのかも知れないと言うお話です。
赤い旅団の一員キアラは、組織が誘拐したモロ首相を匿う役割に就いていた。しかしモロの人間性に触れるうちに、自分達のしている事を疑い始める。そんな中、事態は刻一刻と悪化していくのだった。



ネタバレ↓



若さゆえ純粋な理想を掲げる実行犯たちの危うさ、マルクス·レーニン主義を信奉する彼らの中の矛盾、監禁場所のアパートで首相と暮らす中で、本当に正しいのか揺れ動くキアラの心の変化を丁寧に描いています。
史実では、55日後にモロは彼らに殺害される。 しかし、映画のラストは、モロ首相が解放され朝1人で歩くシーンを映して終わるのだ。 この映像は誰かの願望なのか?キアラの夢なのか?は、明かされない。
モロは殺され、犯人は全員逮捕されたが、一体何が変わったのか?何も変わってない。 暴力の無意味さを訴えかける映画なのだとは思うのだが、面白いと思えなかった。だってあくまで、フィクションで、本当の所どうだったのかって…、そもそもなんだよね。
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