Charleston0519

ヤクザと家族 The FamilyのCharleston0519のレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
3.8
ヤクザも家族。家族も家族。泣けるヤクザ映画。

ヤクザ映画と言えば、金、力、女をメインに据えて勢いのある映画が多い中で、この映画はヤクザとして生きる人間の弱さにフォーカスして描かれており、ヤクザの人間らしさを非常に感じ取ることができる映画だった。

ヤクザ映画で泣いたのは虎狼の血以来だが、あの時はヤクザ側の義理人情に泣かされたこの映画は人間側の義理人情に泣かされる。

そんなに長いこと生きていないが、移り行く時代とヤクザの対比があることで、実際にその年数を生きてきたように見ることができる構成にまずは驚く。
その時代の切り方と、綾野剛のヤクザとしての強さと人間としての弱さ、社会情勢が相まってスッと感情移入できたことで泣けるヤクザ映画と感じることができた。

ラストシーンが特に良かったな。
時代ごとに移り行く人間たちの点の感情が集まる。それはすぐに壊れてしまうものだが、心の底には義理人情が残っていて、感情の高まりが起こる。

良かったんだけど、ちょっと長いと感じたので☆4つ。
戦いと人間のシーンでメリハリがあるのは非常に良かったが、
少し間延び感が否めない。

綾野剛ももちろんよかったが、磯村勇人も最高に良かった。
尾野真千子の学生は笑ったが、ラストの涙は泣けた。
小宮山莉渚はメモっておいた方がいいかもしれない。
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