このレビューはネタバレを含みます
いいと言う話は聞いていたので今更視聴。あれ、なんか微妙じゃねこれ。
自分はヤクザものは大好きで結構見ているけど全体的に善悪のラインがあやふやだった。
シャブ売らなきゃいいの？ぼったくりバーはいいの？てかシノギがあのバーだけなの？
そもそも普通に社会復帰したらいいだけの話では？物語の核のSNSも、自分は暴対法とか暴排条例に詳しくないから知らないけど、内縁の夫が元ヤクザなだけで役所辞めさせられたり娘が転校させられたりするもんなの？そもそもそんな話題になるか？
で、色々面倒なことになったら翼の代わりという大義名分を得てまた暴れる主人公。
結局楽して大金を得ることに慣れきっていて地味に社会で生きてくのが出来ないだけじゃない？
普通の人は日々辛いことを必死に耐えて生きてるのに。あんなことしたらまた妻子に迷惑かかるし、本当に申し訳ないならまずちゃんと働いて更生したらいいじゃん。
結局死んで楽になって終わりってそりゃないわ。
社会への問題提起のつもりなんだろうけど山本が悪いだけだし、警察が一方的な悪人に描かれてて酷い。ヤクザ映画の見過ぎかもだけど、そもそもマル暴って普段からあのぐらいヤクザと親密に情報交換するもんなのでは？
ともかく、社会問題を描くなら、徹頭徹尾リアリスティックであるべきだと自分は思う。ヤクザをバー経営してアニキ！オヤジ！と呼び合ってるだけの謎の馴れ合い集団として描くのではなくて、敵のようなどうしようもない集団として描いた上で、その組織にしか所属できない理由をきちんと描くべきだし、その上で再復帰の難しさとか描くべきでしょ。
楽な方に流されて生きて、最後また死んで楽になるだけで、あとはよくあるいいヤクザが消えて半グレが跋扈しました的な眉唾ものの話。これを見て暴対法について何を思ばいいのやら…。
監督のプロデュースしたドラマ、ムショぼけの方がまだそこらへんしっかりしていた。
ラストもなんか希望感出してるけど最悪でしょあれ。山本のせいで生活壊された上にまたその縁で半グレのイケメンと関係持つって。結局一度道を踏み外すと周りの人間を世代超えて泥沼に引き摺り込むだけじゃん。
あと地味に舘ひろしが酷い。普段の飄々とした感じは良かったけど一瞬見せる低い声が全然怖くなかった。
