筑前助広

ヤクザと家族 The Familyの筑前助広のレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
4.4
現代ヤクザの生きづらさ、暴対法の是非について考えさせる一作。
前半はヤクザがぶいぶい言わせていた時代を、従来の任侠映画のように描いていながら、後半で一気に「現実」を見せつける仕様になっている。
特に後半部の暴対法施行後の衰退っぷりは、目も当てられないほどに侘しいものになっている。そのコントラストがあまりにも無慈悲で、それこそが監督の狙いだったのではないか?と愚考している。
暴対法、5年ルールには色々思うところがある。「最初からヤクザにならなきゃいい話」と切って捨てるのは簡単だが、そうじゃない何かをこの映画を観ることで考えさせられた(自分の考えは敢えて言いません)。
しかし、重厚で見ごたえのある映画だった。邦画だからこそ表現できたもので、多分この色合いはハリウッドでも韓国でも無理だったろう。
さて綾野剛が好きで、市原隼人と磯村勇斗が好きなら観るっきゃない!と思い視聴したら、舘ひろしにやられてしまった。それぐらい、激シブでした。
でもMVPは、これで日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した、磯村勇斗!
筑前助広

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