Tilda

ヤクザと家族 The FamilyのTildaのネタバレレビュー・内容・結末

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます


最高に暖かくて厚くて酷く強い家族の話。

翼が憧れるのも無理ないです。
滅茶苦茶格好いい。ありゃ憧れます。
綾野剛さんの演技にはあっと驚かされます。まさか一人の人間の成長をご本人が一本で演じられるとは思いませんでした。
子役やその年代に合わせた役者さんを使わず綾野剛さんが二、三十年の成長を見せてくれてとても感動しました。驚愕です。
金髪の頃は…まだまだ生意気で自分の父親への気持ちを怒ることでしか表現できない、そんなもどかしさを感じました。
後に親父になってくれる舘ひろしさんと出逢い助けてもらった時に泣く姿を見て今まで誰かに優しくしてもらったことがなかったんだなとわかりました。
その後ヤクザの仲間として息子となり、尾野真知子さんと出逢いますがここで異性の扱い方がわからず不器用な振る舞いを見て根はケン坊なんだな〜、素直に育ったな〜と顔が綻びました、嬉しかったです。
兄貴の犯した罪をケン坊が庇い、その刑を終え帰ってきましたが、そこにはヤクザが暮らしていける世はありませんでした…。
組を存続させる代わりに兄貴はシャブに手をつけ、他の仲間たちは足を洗っていました。
尾野真知子さんと娘さんのところにいきますがインターネットによりバレてしまいます。ケン坊がやっと手に入れた家族は守ったはずがいつも続かず、終わりかけてしまう、そんな悲しい気持ちになりました。

翼が同じ道を歩まないように、
せめて一人は守れるようにとまた身を挺して守りました。やっと守れた家族と会うことはできず、昔からの友達である市原隼人さんの復讐の手によりこの世を去ってしまいます。
ここは酷く辛いですが、この運命を受け入れているような覚悟をしているようなケン坊を見てわかっていたんだなぁと思いました…。

その後、翼がお参りに来ていた娘ちゃんに話をしてあげるというエンディングは家族になれたんだなと語り継がれていくんだなと、
観ているわたしもケン坊が救われて良かった…と思いました…。

悲しい結末にはなってしまったんですが、
主題歌であるmillennium paradeさんの『FAMILIA』のMVを拝見させていただいた時、涙が堪えられませんでした。
ここでやっとケン坊は心の重荷を解いて、
親父のところへ、家族のもとへ行けるんだなぁ…と思いました。

長くなりましたが、このような映画を作っていただけて感謝の意しかありません。
わたしは大好きです。
藤井道人監督、綾野剛さん、大作をありがとうございますした。
これからも応援しております。^ ^
Tilda

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