重厚な三部構成
クライマックスに向けて全てのピースが揃っていく中でどうしようもない悲壮感
ヤクザと家族というシンプルすぎるタイトルだが、まさに言い得て妙なタイトル
盃を交わし家族のように振る舞うヤクザ、
血の繋がりが現す家族、
ヤクザで繋がる家族達、
人と人の繋がりの強さと脆さ…
家族のような結びつきでシノギを進めていた主人公と柴咲組のヤクザたち
決して合法的ではないものの、周りの人たちとの関わりの中で事業を大きくし支え合い他の組のヤクザたちと競っていく
主人公視点でヤクザたちの暖かさ、かつての豪勢、冷たさ、時代の流れに勝てない情けなさがビシビシと伝わってくる
かつてはヤクザの存在が黙認されていたからこそ華々しく稼ぐことができていたが、取り締まりが強くなった現代では細々と生きていくことしかできない
ヤクザ故に一度入ってしまうと一般社会には戻れない
それはヤクザの関係者もみな同様だった
過去に払ったツケが押し寄せるように周りの環境が崩れていくラストは圧巻だった
ラストを飾る二人のやり取りは一見救いのように感じるが、ここまでの経緯を考えると新たな悲劇に繋がるような予感すらさせ、ひたすら無情だった