日本のバイプレイヤー大集合、理詰めの構成で進めていく燻し銀で硬派なエンタメ
実話を元にしていることもあり話の展開に派手さはないが、
既成事実を作って捜査を進めてしまったり不都合な事実を隠蔽しようとする警察、
良くも悪くも情報に群がり広めてしまうマスコミ、
それに対抗しようとする人や利用しようとする人達の立ち回り・思惑が静かに渦巻いていく。
演技にも派手さが求められる訳ではないが実録のようなリアリティを感じられ、カメラワークや演出にも「Winny」を巡る事件で何が起こっていたのかを真っ直ぐに伝えようとする意志が見えた。
一見関連性の無さそうな愛媛県警の話も、メインで進んでいくWinnyの話を作劇面でも構成面でも支えていく形で結びついていくように上手く成立していたと思う。
主演 東出の演技も他作品で見てきた爽やかだったり狂気的だったりしたものから離れたもので、演技としても経歴としても幅・需要を感じさせた。