「地面師たち」「MIU404」に続いて綾野剛。
ここでもいい味を出している。「カラオケ行こ」のヤクザとも違う、哀愁のあるちょっと古いタイプの男を演じた。磯村勇斗も、相変わらず素晴らしい。2人とも、役に対する想いが強い俳優だ。
若い頃の怖いものがないイケイケの時代から、中年になって人として落ち着いてくる年齢になると、考え方も感じ方も変わるのは、ごく自然なことと思う。
描かれているように大きく環境が変わっているヤクザの世界だが、他の会社も時代の変化についていけないところは淘汰されている。やっていることは反社会的なことだが、組織を維持することはどの会社も簡単ではない。
ネットの書き込みだけで、人生が変わってしまうのは悲劇のように感じる。それが今までの報いなのかもしれないが、何とも辛い。
タイトルにあるように、1人の男の家族を求める生き様を、ヤクザという世界を通じて描いた秀作。
