見つかってしまうのではないかというドキドキ感を味わえる映画でした。終わり方も味わい深かった。淀川長治が2人の関係性をホモセクシャルと評したのは有名な話。私がイメージする「ホモセクシャル」とは異なるが、言いたいことはわかる。現代であればホモソーシャルと呼ぶ方が適切かもしれない。男同士のああいうイチャイチャ感を最近味わってないなあ。序盤は太陽族映画のようでもあった。
魚市場のシーンの音楽が好き。裁かれる運命にあることを示唆するかのような天秤と魚の頭。「お前の悪行みとるでえ」と言い出しそうなエイのアップは可笑しかった。
Wikipediaによれば、パトリシア・ハイスミスはリプリーを「上品で好感が持てるが、まったく道徳的でない」としている。『アメリカの友人』のリプリーとは似ていないと思っていたが、言われてみれば確かに。