なかた

トッツィーのなかたのレビュー・感想・評価

トッツィー(1982年製作の映画)
3.8
【脚本の美しさが大絶賛されている作品】

とある脚本の書き方を説明している書籍で大絶賛されていた作品。
あまりの絶賛ぶりに興味を持ち鑑賞。確かにきれいな脚本だった!
(コメディなので、深い感動があるわけではないが)

◆概要
ホフマン扮する役者マイケルは才能はあるが仕事がない。そこで女装をしてオーディションを受け、昼メロで女優としてデビューすることに。ところが共演女優に言い寄られ……。男女差別を風刺した傑作コメディ。共演した女優に扮するジェシカ・ラングはアカデミー賞助演女優賞を獲得。

◆魅力的なポイント
①思わず、「バレるな、バレるな」と祈ってしまう状況の数々
・女装してオーディションにうかり、TVドラマに出演する
・そこから、女性の家に呼ばれたり、男性に言い寄られたり...
・絶対に引けない状況に陥る
・文字通り、「バレたらオシマイ」な状況
・そういう状況になると、いくらコメディだと思っていても、バレるな...と祈って見てしまう

②確かに美しい脚本!
・主人公に弱点があり
・最初はそれに無自覚でいて
・その弱点で他人に迷惑をかけ
・TVドラマ業界を舞台にして、変装を納得感あるものにして
・主人公の行動動機を初期は金に設定して
・その後、恋におちて、弱点を解消させるアクションを取らせる
説教臭さが全くなく、テーマを描く良い例になっている


---以下メモ

テーマは、
「男性は女性に向けて、非道徳的な行為を日常的に行っているのではないか?」

モチーフは、
役者×入れ替わり

シチュエーションは、
もしも、王道設定を超越して、男性の内側からの恋の駆け引きを描いたら?それを男性偏重主義者にやらせたら?そんな男が男女両方にモテる状況にぶつかったら?

宿命は、
・男性偏重者の役者

迫りくる危機は、
・共演者の女性に恋する

想定される最悪の出来事は、
・女装しているので気持ちを伝えられない

主人公の求めるものは、
・仕事をして金を稼ぐ

主人公のミッションは、
・女装して役者をこなす

課題は、
内:傲慢で自分勝手で嘘つき
外:仕事なく金無し

解決策は、
・人間的な成長

故にログラインは、
ある男性偏重主義で完璧主義な役者が
役をもらえなくなったことから
女装してTVドラマに出演するが、
共演者の女性に恋をしてしまう
なかた

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