ヒジィアレン

あのこは貴族のヒジィアレンのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.6
東京出身のお嬢様と地方出身の女子
出会うはずのない2人が出会って、人生が変わり始めた

山内マリコ原作
門脇麦、水原希子主演
高良健吾共演

良かった!
原作既読です
原作と映画でそれぞれ良さがある!
2021ベスト入り間違いなし

東京出身の箱入り娘の華子
地方出身で大学で上京した由紀
出会うはずのない「階層」の2人が東京で巡り会う

東京と地方の相違点と同じ点
違う世界を生きるはずの2人
ある出来事がきっかけで2人の世界が交わっていく
自然な会話と所作と動きと生活の表現で華子と由紀の違う世界「階層」がはっきりとわかる前半と、後半の2人の共通点と生き方の変貌、しがらみからの「解放」がスマートに描かれているのが見事でした
女性の生きにくさをこの邦画で描けるんだな〜邦画の力強さを感じます

価値観は、生まれてから周りの人達と共に形成されていって、「普通」が形作られて行くと思うんですけど、その中でも「普通」が「普通」じゃない場合があるわけです
価値観が違っても、「共感」する部分が必ずあるわけですし、同じように思えても実は違和感に繋がったり、違うように思えても実は同じ部分があったり、、、
東京という大都市で生きる2人を通して描く個人の解放の物語ではないかなと思います
外からみる東京と内からみる東京は違う世界、東京も地方もいたら同じ、ということでしょうか

門脇麦の華子のお金持ちのお嬢様の所作、そして「普通」からの解放までの演技が見事
対する水原希子の地方出身由紀、地方の「普通」で圧迫され、東京でもがく女子が見事
対して2人を繋ぐ高良健吾演じる青木幸一郎も生まれた時からレールの上を歩かされて周りの「普通」の呪縛から逃れられないのですね

共演の石橋静河と山下リオが最強
2人がすげえ良い!!
山中崇、篠原ゆき子、銀胡蝶ら演技が超一流です

5000円のアフタヌーンティーを頼んで
アールグレイを優雅に頼める人間になりたいw